理解とは何か
- 作者: 村上陽一郎,銀林浩,三宅なほみ,M・コール,佐伯胖
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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シリーズものなので、初めから読んでいる2巻目。この本は、編著者の佐伯胖が初めて主催したシンポジウムの討論を収録したものらしい。ということで、話者が複数いたり、話題も複数あるので書評を書きにくいタイプの本であると思う。気になったところといえば、あとでディスカッションのときに話し合いたいと思っています
(マイケル・コール;p.100)といっているのに、ディスカッションの部分が収録さていなかったところとか、彼女はその言葉を言いながら,耳の上で両手の2本指をピョコンと折り曲げ、うさぎの耳の真似のようなしぐさをし,小さく“quote-unquote”とつぶやいていた
(佐伯;pp.130-131)という表現がいいとか、この佐伯って前に読んだ誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)の著者であるノーマンの知り合いだったのか、同じ話題を載せているぞとか、話題の主題としてはどうでもいい感じである。まあ、研究成果の発表みたいな内容で、初出が古いので、あまり言いたいことはない。
ただ、最後に追加されている解題は『人はどのようにして「他人の心」を理解するのか』というもので、赤ん坊はアナロジー推論をしているかも、という感じの話題を扱っている。上に書いたのは、それや、他のこの本で紹介された話題(理解の文脈依存、具体物による理解、対話と理解のレベル、理解のための道具とその道具への理解)に影響されて書いた感があるので、これを以て、この本を読んだ記録としたい。