放射線量と寿命の関係

長期被曝と寿命の関係性を調べることは難しい。

長期にわたって被曝量を測定し続けること、被曝以外の寿命による影響を極力取り除くことが求められるが、
そのような実験方法は現実的ではない。


しかしながら、何らかの影響が見られるとすれば、その事実を知りたいものである。
そこで、近年の日本の情勢が比較的安定している、移民などの影響がある程度無視できると仮定して、
東日本大震災以前の平均放射線量と平均寿命を比較してみる。


平均放射線量は全国の放射能濃度一覧の過去平常値、
平均寿命は厚生労働省:平成17年 都道府県別生命表の概況を用いて、地域ごとに比較する。
放射線量は最小値、最大値、平均寿命は男女があるので、それぞれに対してプロットしてみた。

明らかに・・・男女の寿命差が見られる。地域ごとの放射線量には差が見られるものの、寿命に影響を与えているようには見られない。
図では分かりにくいので、相関を見てみる。
相関は、wikiを参照すれば分かるように、
1に近ければ正の相関、-1に近ければ負の相関があり、0に近ければ相関がないと言える。

放射線 最小 最大
男性 0.143 0.004
女性 -0.035 0.272


0に近い値ばかりであり、ほとんど相関がないと言って良いだろう。
細かいことを言えば、正の相関(放射線量が高いほど寿命が長い)があるように見えるが、多分気のせい。


ちなみに、男女の寿命を地域別に見た相関は0.575と、やや相関が見られる。
だから、地域差は寿命に何らかの影響を与えているはずだが、放射線量はあまり影響していないらしい。


以上は、色々な問題をざっくり削ぎ落とした調査である。
体内被曝の影響に関しても考慮していないし、これからはどうなるか分からない。
しかし、これを見る限り、福島以外の地域は空間被曝をそれほど気にする必要はないと思われる。


それよりも日焼けに気を付けよう。