「認知科学の方法」

認知科学の方法 (コレクション認知科学)

認知科学の方法 (コレクション認知科学)

この本は1986年に発刊された本の新装版である。そのため、追記もあるものの、挙げられている現状や例は当時のものとなっている。
とはいえ、私は認知心理学界は良く知らないので、その歴史の経緯を知る上で役に立つ。
本の要旨としては、「メタ理論」を重視することと、学界の生態系のようなものを踏まえて研究することを説いている。
んじゃないかと思う。例によって、無理にまとめているのであまり当てにしない。


ともあれ、こういう考え方はM:tGでも体験できる。個別にデッキを作るのはいいが、対戦をしないと計画倒れになりがちである。
環境のメタを読んで、それの対策をしていないと、自分の思うようにデッキを動かせない。
うまくデッキを作るには、どんなカードが環境にあるか、どんなデッキが作られているかを見極め、さらに他の人が思いつかないギミックを考えるのがポイントである。
要は、こうした流れが学会にもあるんだろう。もちろん、学会では対戦するのではなく、議論するわけで。


と、主旨には賛同できるのは、補稿を載せている戸田正直と同様である。
この補稿が、佐伯の文の行間を抜き出したように上手くまとめられていて良い。
本稿を通して読むと、「全体を見極めないといけない。もっと勉強しよう」という考えが出てきかねない。
M:tGでいうと、「メタを割り出すために、すべてのカードを覚えよう」という感じである。
でも、実際にして欲しいのはそうではない。まず、自分のスタイルを持つことが重要である。
トークンをたくさん並べたい」とか、「相手に行動させない」など、コンセプトがあればよい。
それが動機になり、見識の基礎になる。これをはっきりさせるのが重要である。
そして、これを明文化するには、日常言語を用いるべきであるということだ。
出来るだけ、素の感覚に近い言葉で、とにかく明文化する。


ということを読み取って、私のしたいことはこうした考えに結構合っているんじゃないかと勇気が出る。
自分の興味の対象が分散している気がしていたけど、認知心理学というカテゴリからすると、そのくらいの幅があって問題ない。
そこで、あまり専門用語にとらわれないで説明するのは結構大事らしい。
そう思うと、早く世組研の記事をまとめたくなる。問題は、わかりやすい文章をまだかけないということだけど。