1.1

どちらかというとプログラムを考える方に時間を割きたいので、言葉の定義は現状の知識でサクサクやろう。

「知能」とは、

  • 所望の状態を定義し
  • その状態を得るための解決策を示し
  • 解決策を解消するために努力が出来る

ものを指す。多分後ろから解説した方が解りやすいだろう。


与えられた課題が実行できなければ、知能とは呼べない。課題が与えられたのに、アクションがなければ、何のためにいるか解らない。外から判断する上でどうしても必要な項目だ。一方で、どんなに知能があったとしても、解決不能な課題があるわけで、それが出来なくても仕方ない。また、指令という役職もあるだろうし、自ずから実行できる能力は必要条件ではない。ただし、この要件だけだと、「禁煙」の貼り紙も知能になってしまう。確かに知的行為の結果ではあるけれど・・・。


課題を行う前に、まず課題設定が必要だ。目的に達成するための手段を選ぶ必要がある。その手段は誰が選ぶか? そう、もちろん知能だ。このために、いくらかの知識や判断力が要される。


行動の元になる目的は根本的に欠かせないもので、これを創出する力も知能には必要とされる。目的には段階があって、人間でも本当に根本である「生きる」とかの目的は与えられた物だけど、本質的にはそれを与えた自然も含めて知能だと思う。まあ、単純に、手段に捕らわれない、好ましい状態を選ぶ力があれば十分だろう。

人工知能とは

これはもう簡単で、「知能たる要件を備えた人工物」だ。広義には、それを補助する機能をもつ道具でもいいし、現在人工知能として活用されているものは、全て一部の要件しか満たしていないだろう。道具としては、特に第1要件を満たす必要性は感じられないし。貼り紙も考えるレベルによっては十分に人工知能である。


逆にいえば、知能要件を1つも満たしていない道具は大抵役に立たない。はさみやペンなどは、見た目から使い方がすぐに分かるから、手段を実行する努力として機能している。一方で、見た目からでは何に使えばいいか判らない道具がある。アプリケーションには良くある。見た目どころか、いくらかキーを押したり、マウスで操作しようとしても、芳しい効果が得られなかったりする。こうしたものは本当に愚鈍であるように思う! 知的レベルとして、古典的な道具に劣っているのだから!