マルチタスクと脳

人間は複数のことを同時に出来るものである。しかし、必要な部位が被るようなものは同時に出来ない。車を運転しながら野球とかは無理だ。それと同じくらい、2つのことを同時に考えるのも難しい。考えるという行為に使う部位は、同時に1つのことしか行えないのだろう。


脳は一様になっているわけではなく、身体と同じように特定の部位が特定の作業に特化しているようになっている。だから、別々の部位を使っている限りでは、同時に複数のことが出来る。ラジオを聞きながら、計算問題を解いたりすることは出来る。

むしろ、ながら作業の方が調子がいいと感じることがある。これは、脳の血流量の問題ではないかと思った。複数の部位を同時に使うことで、脳全体のエネルギーの需要が増えるため、供給もそれに応じて増え、脳が活性化する。逆に、眠くなったりするときは供給が足りてないのだろう。


だからといって、ながら作業が効率的なわけではない。作業を意識的に行う必要がある場合、意識も部位の1つだと考えられるので、複数の作業が意識を取り合うことになる。難しい問題や新しい分野に取り組むときは、意識を集中させないと出来ないので、作業効率が著しく落ちる。一方で、そういったことに取り組むときは、一部に集中しておきながら、十分な血流が必要になる。


このジレンマ(というほどでもないが)を解決するにはどうすればいいか。集中して行いたい作業の前に、ウォーミングアップをすればいい。とりあえず、脳の部位を多く使うことで活性化させる。そのあとで取り組めば、すっきりした気分で効率よく作業が行える。……と感じた。